VIVAカレッジの倒産劇
2018/04/23 14:45:06
ブリスベンの語学学校「VIVAカレッジ」が倒産しました。
倒産はいつだって計画倒産なんですが、VIVAカレッジもなかなか悪質で、被害に遭われた学生さんは早急に関係各所に連絡し、ビザのステータス維持と学費補償の手続きに入りましょう。
留学ドットコムでは全ての学生様の補償が無事に済みましたので、備忘録を兼ねて、VIVAカレッジ倒産間際のやり取りを時系列にまとめてみました。
3/26 月曜日午後3時半ごろ
日本人担当者よりエージェント向けにサマースクールカレッジについてメールがありました。
16歳以上の方向けの特別プログラムになります。
3/26 月曜日午後4時過ぎ
日本人担当者よりAさん(弊社のお客様)のフライトスケジュールとお支払いについて連絡がありました。
Aさんのアコモデーションと空港ピックアップの予約に関して、「今週中にお支払いしてもらえれば」とのことで催促をされました。
元々、そろそろ支払いする予定でしたが、 翌日火曜に支払いすると返信しました。
日本人担当者が学校の経営状況まで把握していたかはわかりませんが(本人は否定)、今思えば、この催促も怪しい気がしますね。
3/27 火曜日午前11時前
朝一番にAさんのお支払いを終え、日本人担当者へ連絡。
「ありがとうございます。フライト詳細が来週以降になる場合は別の担当者へ連絡を」
と返信がありました。
3/28 水曜日午前11時過ぎ
別の担当者より連絡あり、ビバカレッジの閉鎖が発覚。
このタイミングでは学校のウェブサイトには閉鎖を知らせるメッセージ、TPSについてなどの最低限の情報が上がっていましたが、学校のFacebookでは昨晩3月27日の午後8:16に閉鎖をアナウンスしていたようです。
3/28 水曜日午後12時過ぎ
日本人担当者よりエージェント向けに今回の閉鎖について下記のようなメールがありました。
(ここから)
昨日の午後、学校長から緊急報告があり事実上ビジネスをクローズする事となりました。
教師を含め全職員の給与の支払いもなく、皆が困惑しております。
(ここまで)
本来不要な入金催促を受け、複数人の弊社のお客様の授業料を送金したその翌日に倒産とは・・・・これを計画倒産と言わずして何と言うのでしょうか。
日本人担当者は「知らなかった」と言っていましたが、傾きかけた会社の内情を直接的には知らなかったとしても、間接的に感じることは多々あったと思います。
もっとも、日本人担当者も学校内では一介のサラリーマンに過ぎませんので、学生や我々エージェントのことよりも上司の指示が最優先されただけのことでしょう。
しかしながら、入金催促の翌日に倒産告知とは、教育分野に携わってきた人間として法人企業としてはもちろんですが、個人としてもそれでよかったの?と問いたいところです。きっと多くの留学生やエージェントが被害に遭ったはずです。
我々としても「お客様からお預かりしたお金は迅速に学校へ送金!」というポリシーが完全に裏目に出てしまいました。
弊社のお客様のその後
弊社の複数名のお客様はワーキングホリデーだったため、TPSからの救済はされませんでした。学費も滞在費も単なる払い損の全損失です。
しかし捨てる神あれば拾う神ありでしょうか。
Imagineさんが弊社の被害学生に対して入学金、教材費、授業料を無料で提供してくれると真っ先に手を挙げてくださいました。
おかげで、弊社の学生様はワーキングホリデーで学費が補償されない中でも手出しなしで、予定通り学校に通い英語を学ぶことができます。
滞在費はさすがに学校側では持てない・・・・ということでした。それは仕方ないことだと思います。
弊社でも学校倒産時の補償は免責事項として契約させて頂いておりますが、今回は弊社の方で滞在費のほとんどを補償させて頂きました。
結果、学生様の方でも被害金額は極めて限定的なもの(Max500ドル程度の損失)で決着することができました。
学生さんも学校は変わり、多少とはいえ損失は生じています。
また、出発前のゴタゴタにも巻き込まれたので100%満足とはいかないと思います。
しかし語学学校の倒産劇としては極めて最小限に近い損害で済んだことは、学生様本人からも評価を頂きました。
また、NPO法人留学協会からも弊社の補償態度や金額に関して御褒めの言葉を頂くことができました。
今回、学校倒産による被害者が複数人いたため、また、弊社も学校の倒産は予測不可能なため、全部が全部の責任を負いながら賠償をしていくことは難しいです。
しかし、今後も学生さんに寄り添ったサポートを継続し、このような不測の事態でも可能な限りの補償は行っていければと思っています。
2018年以降、語学学校や留学エージェントの倒産は増えていくと思っているので、引き続き気を引き締めて業務に取り組んでいきたいと思います。