英語力を身に付ける期間
“オーストラリアに留学!!”と言えば、やはり第一の目的は“英語力の向上”となると思います。
私達日本人は物心がついた時から英語を聞いて育ったというわけではありません。その代わり、小学校から高校または大学までの長い期間、文部省の教育方針の下で英語を勉強してきました。
しかし、留学を実現させた方はオーストラリアに着いた途端にそれまで勉強してきた英語というのがどれだけ狭い日本の中の英語だったというのが実感することとなるでしょう。
といっても、留学の醍醐味というものがただの語学習得だけではないのはご存知の通りです。外国人の友達を作ったり、オーストラリア文化と触れ合ったり、大自然の満喫なども留学における重要なポイントだと思われます。
それでは、ここからは英語力に関してお話をすすめていこうと思います。
ほとんどの人が持つイメージは、「留学=英語が話せるようになって帰ってくる」であると思います。既に留学を終えた方は、周りからそのような目で見られていると感じたことでしょう。実際「英語を話してよ」と問われることも一度や二度ではなく、それこそ決まり文句のように言われるでしょう。
しかし、実際は1年のワーキングホリデーを終えた方の90%が留学前に抱いていた自身の期待以上の結果を残してないようです。驚くことに、約半分の人が「英語なんて授業以外に話していなかった」と言われます。
なぜこのような事態に陥るかと言えば、オーストラリアは“ワーホリ天国”とも呼ばれる程日本の設備やサポートがとても充実しており、実際英語を使わないで生活出来てしますからです。
つまり、ただ“暮らす”だけなら、英語は買い物以外必要ないということです。
それで、その様な状況においてどうやって英語を伸ばせば良いのでしょうか?
ご存知の通り、言語を習得する際、
- 読む
- 書く
- 聞く
- 話す
と、言語スキルを4つに分けるとすると、それぞれに適切な勉強の仕方があることに気が付くと思います。
各人が何を求めて英語を勉強しているかによりその学習順序、ターゲットは異なります、一般的に言って最初に英語勉強を始める人には忘れてはいけない2つの重要な要素があります。
-
基礎文法(中学生レベル)を頭に入れ、完全に習得する。
オーストラリアに留学に来た方とってはこれが絶対条件となります。語学学校に通う人は最初の3ヶ月はみっちりと文法を勉強しましょう。聞く・話すことは、生活していればある程度ついてきますが文法は勉強しなければ身につきません。また、文法を身に付けている人といない人では前スキルにおける英語の上達度が全く異なります。
読む・書くはもちろん、聞く・話すについても同じことが言えます。買い物などで使う英語だけなら単語で足ります。Beef, that one, how much?お店の人は理解してくれるでしょう。が、一般的な会話となると話は別で、より高度に流暢に話すためには文法が必要となるのです。
なぜなら会話はすべて文法を繋げて出来ており、それを元に省略されたりスラングが出来たりするので、このことからも文法が一番大事なのは分かっていただけると思います。 -
発音とアクセント
文法がある程度身についたら発音とアクセントに気を付けるようにしましょう。日本人は発音に一番の問題点があります。いくら頑張って話しても、最初のうちは 一つの単語ですら pardon? pardon?と聞きなおされることの連続でしょう。
「Think(考える)が sink(沈む)になる。」「See(見る)がshe(彼女)になる。」「Rice(お米)がlice(「シラミ」の複数形)になる。」とは、よく言われますが、本当にその通りです。ただ、どちらかと言えばオーストラリアを留学先として選んだ人は運がいいと思います。というのも、アメリカ英語と違ってオーストラリア英語は分かりやすく、イギリスから派生したオーストラリア英語にはイギリス英語に近い特徴があります。したがって、人にもよりますがオーストラリアでは一つ一つの言葉をアメリカ人と違ってはっきり話してくれる傾向がありますし、アメリカ人と異なり舌を完全に巻いて話さない分聞取り易いという点もあります。
例えば・・・
Tomato: aの発音は“エイ”(だからトメイトとなる)と習いましたが、オーストラリアでは“トマト”で通じます。もちろん日本語の“とまと”では通じませんがアとエの間の“トマアェト”のようになります。これらのことは、日常で気にして使っていると自然と覚えてくるものです。
このような面からオーストラリアの英語は覚えやすいと思います(田舎に行くと方言が強くて全く分からない時もありますけど…)
ただオーストラリアは独自の発音があるので(mate “メイト”:友達 は “マイト”になるなどは有名じゃないでしょうか)、オージーイングリッシュのみを覚え、信用すると他の国で通じないこともあります。他にも注意しなければいけないのは、日本人が勘違いしやすい“日本人はアメリカ英語だ”というおごりです。私もあったのですがアメリカに比べてオーストラリアの英語は田舎っぽいと思う人がいますが、勘違いしないで下さい。日本人の英語はあくまでも日本英語です。比較するのもおごそかな程お粗末な英語を私達は今身につけていると自覚しましょう。その自覚は発音を勉強する上でとても大事なものとなります。韓国人の友達と話しているうちに韓国なまりになってしまった人もいるくらいですから。
発音の基礎に関して言えば、日本人にとって最初に大事なのは R/L, W/O, S/TH/F, などの発音です。発音はこうです!といくら言われても、実際に自分で口に出し、現地でも触れてみなくてはいけません。オーストラリアに着いたら現地の人達の言葉に耳を傾けてどういう発音かを調べてみましょう!
そのうち、テレビや映画などで アメリカ発音の人,オーストラリア,イギリス,アイルランド(とってもなまりが強い),はたまたカナダ人という区別がつき、それが容易に分かってくるととても楽しくなると思います。
例えば、ヒューグラントなどは典型的な貴族志向のイギリス英語ですし、ほとんどのハリウッドスターはみんなの憧れるアメリカ発音を持っています。
ちなみにハリーポッターシリーズはイギリス英語なのでオーストラリアで勉強した人は聞きやすいなんていう噂も聞いたことがあります。どうですか?楽しそうだとは思いませんか?
英語を身につける期間
完全に映画で話されるような英語を身に付けるのは、現地で生まれたり小さい頃から住んでいた人以外ほとんど不可能と言ってもいいでしょう。完璧とはいかないまでも流暢な英語を身に付けるというのも3年以上かかります。
ただそのような英語力が絶対に必要なのでしょうか?
考えてみてください、ビジネスで英語を使うといっても、自社や取引先が完全なローカル企業でスタッフも全員がネイティブスピーカーと定められていない限り、全ての人が英語を第一言語としているわけではないのです。実際中国人や韓国人などは、現地企業で働いている場合であっても必ずしも英語が完璧なわけではないのです。ただ、彼らは我々以上に英語に“慣れている”のには間違いありません。それは彼らが英語を日常で使っているからです。
それを考えれば、ある程度の発音とスキルを身に付けた後は、日常でどれだけ使えるか、要は自分の口からすぐに英語がつっかえずに出てくるか?にかかってくると思います。
そこで・・・
英語を学びに留学に来た人の中で短期滞在の方は、例えある程度覚えたとしても、しっかりとした英語を使用する場を常にキープしない限り、日本に帰ると短い期間で忘れてしまうこととなるでしょう。そこで、可能であれば“1年”は滞在していただきたいと思います。
そして、最初の3ヶ月は滞在方法としてHome stayをお勧めします。ほとんどの現地ファミリーは、留学生を受け入れることに慣れている場合が多く、大抵分かりやすくゆっくりと話して、私達の英語を理解してくれようとつとめてくれます。そこで、学校だけではなく家に帰っても常に英語環境であることを利用し、出来るだけネイティブの使う英語に慣れて、文法はみっちり自分で勉強するようにしましょう。
その後は、パブに最低一人は日本人ではない人を含めて行ってみるのも良いかも知れません。不思議なことに、お酒を飲むとなぜか英語が喋れるようになります。
その後は、個人で自分にとって最適な勉強の仕方が分かってくると思います。ある程度の基礎力が付いた上でDVDを英語字幕で見るというのもとても良い勉強方法です。
学校やネット上の掲示板でランゲージエクスチェンジを募集し、こちらが英語を教えてもらう代わりにあちらに日本語を教えたりして交流を深めるのもいいかもしれません。
オーストラリアは良い国です。時間の流れがゆったりしていて海も綺麗で大自然も満喫できます。もちろん最初から全てのことがうまくいくとは限りません。ただ、その分最初に苦労して勉強すれば後は楽しく英語を学びながらいろいろな経験もできるでしょう!自分から積極的に外に出て色々な英語を吸収すれば、それが私達の財産になると思います。